これまで私たちは、SkyDrive について、また Microsoft アカウントを使った Windows 8 へのサインインとローミング機能についてたくさんのことをお伝えしてきました。しかしこれらは、Windows 8 (および Windows Phone、Xbox LIVE、その他さまざまなサービスとアプリ) をお使いいただく際に提供される幅広いサービス インフラストラクチャのほんの 2 つの側面でしかありません。Windows 8 と Windows Phone が搭載するクラウド サービスの機能や特徴について私たちがお話ししたいことは山ほどあります。今回の記事は、その手始めとして、Windows Live グループ バイス プレジデントとして各種サービスとアプリのあらゆる開発とオペレーションを統括する Chris Jones に寄稿してもらったものです。テーマは、見直しを経て刷新された、Windows 8 におけるクラウド サービスの役割についてです。
--Steven


Windows Live が最初に発表されたのは 2005 年 11 月 1 日のことでした。プレス リリースを振り返ると、"PC、デバイス、Web をまたいで強化された安全性とセキュリティで提供される、ユーザーひとりひとりにとって最も価値のあるつながり、情報、関心を 1 か所に集約する個人用インターネット サービス/ソフトウェア" とあります。以来私たちは、この約束を実現するソフトウェアとサービスの開発に懸命に取り組んできました。Windows の新しいバージョンやその他の Microsoft 製品を設計する際には、立ち返るべきよりどころとして常にこの約束がありました。私たちは、各種の機能について、またソフトウェアとサービスをいかに改善できるかについて数多くのフィードバックをいただきました。命名した名称や展開したマーケティング戦略に関するフィードバックもありました。Windows 8 はこうしたフィードバックに対応し、このインターネット上で最も広く最も頻繁に使われているサービス セットを改めて皆さんに提示し直す機会となりました。

現在、Windows Live の各種サービスは毎月 5 億人のユーザーにご利用いただいています。あるサービスのユーザーのどこまでを "アクティブ" と見なすかについては最近多くの議論がありますが、この記事では、Hotmail、SkyDrive、または Messenger を、つまり電子メールの送信、インスタント メッセージングの利用、SkyDrive へのファイル アップロードを、少なくとも月 1 回行っているユーザーを "アクティブ" と定義します。

これらのサービスの運用規模は巨大です。Hotmail は世界最大規模の Web メール サービスとして 3 億 5,000 万人のアクティブ ユーザーと 105 PB のストレージを処理しています。Messenger は 3 億人のアクティブ ユーザーを擁する世界最大規模のインスタント メッセージング サービスであり、SkyDrive は 1 億 3,000 万人のユーザーによる毎月 1,700 万件のファイル アップロードを処理しています。Windows が提供するこうした分野のアプリケーションで最も有名なのは Windows Live Essentials です。これには、写真管理用の Windows Live フォト ギャラリーと映像編集用の Windows Live ムービー メーカーといった人気のアプリケーションに加え、メール アプリケーションとして Microsoft Outlook に次ぐ人気の Windows Live メールなどが含まれています。

これらのアプリケーションは確かにすばらしい成果を上げていますが、真の接続エクスペリエンスを実現するという期待を十二分に満たすほどではありません。Windows Live のサービスとアプリケーションの開発基盤となった当時の Windows のバージョンは、更新プログラム以外ではクラウド サービス接続を前提に設計されていませんでした。その結果、エクスペリエンスが束縛されているような印象を与えてしまいました。このことは一部のお客様に混乱を招き、これを指摘するいくつかのレビューや記事も発表されました。私たちが製品に付けた名称も混乱の一因となりました。"Windows Live" という名称が、個人用 PC 向けのソフトウェア (Windows Live Essentials)、Web ベース サービス スイート (Hotmail、SkyDrive、Messenger)、Microsoft のアカウント関係管理 (Windows Live ID)、その他さまざまなサービスを指すものとして使われました。 

私たちは、Windows 8 を機会にサービスとソフトウェアに対するアプローチを見直し、Windows のデスクトップ アプリ、Windows の Metro スタイル アプリ、標準の Web ブラウザー、モバイル デバイスのいずれからもアクセスでき、Windows エクスペリエンスの一部としてシームレスに組み込まれるように設計を行いました。最新デバイスには、コミュニケーションと共有のためのサービスとアプリが事前搭載されていて当然というのが最近の傾向です。つまり、"個別のブランド" を改めて検討したり個別のサービスをインストールしたりしなくても、初めて PC を起動したときに必要なものがすべて用意されていることが求められています。 

さらに私たちは、どのサービスを使うか、どの情報を共有するか (他のユーザーに対してと Microsoft に対して)、サービスにどのようにアクセスするかを皆さん自身が決められるようにするべきと考えます。このような理由から、どのサービスも強制ではなく、任意に利用できるようにしました。ユーザーの皆さんは、自分でソフトウェアとサービスを自由に選んで組み合わせることができます。


ビデオをダウンロードしてお好みのメディア プレーヤーで再生することができます:
高画質 MP4 | 低画質 MP4

Microsoft アカウントは、Microsoft の製品とサービスをお使いいただく個人ユーザー向けの ID サービスです。Microsoft アカウントは Windows 8 PC へのサインインに使用できるほか、同じアカウントを使って、Xbox LIVE、Zune、Windows 8 アプリ ストアなどのサービスの請求情報を確認することもできます。Microsoft アカウントは Xbox ゲーマー タグにも関連付けられるので、ハイ スコアやゲームの進行状況も確認できるようになります。Microsoft アカウントには好きな電子メール アカウントで新規登録でき、確認情報として携帯電話番号や信頼済みデバイスの一覧などを追加できます。Windows Live ID から Microsoft アカウントへの名称変更は、Microsoft 製品ラインアップ全体で今後数か月かけて進めていきます。アカウントが Xbox LIVE などのサービスに接続している場合のアカウント (クレジット カードと購入履歴) の市場間 (通貨間) 移行など、一部の処理については現在も対応作業を進めています。

デバイスまたはサービスを自分の Microsoft アカウントに関連付けると、自動的に、連絡先一覧、カレンダー、受信トレイ、インスタント メッセージング、クラウド ストレージなどのクラウド サービスのセットが提供されます。 もちろん、これらのサービスは皆さんの PC と Windows Phone に関連付けられ、あらゆる Web ブラウザーからアクセスすることができます。さらに、Microsoft 提供の API を実装しているアプリであれば、アプリからサービスにアクセスすることもできます。これらのサービスは皆さんの Microsoft アカウントの一部なので、Microsoft のすべての製品とサービスで共有できます。たとえば連絡先一覧は Windows Phone、Windows 8、Hotmail、Messenger、SkyDrive のすべてで共有されるので、これらのうちのどこかで連絡先を追加すると、追加された連絡先がクラウド上にもその他のデバイスやサービス上にも表示されます。

Windows 8 では、PC 間で設定をローミングするためにもクラウド サービスが使われます。つまり、初めて使う PC にログインしても、最後に使ったときの状態が再現されます。Microsoft アカウントを持つすべてのユーザーには SkyDrive が割り当てられます。SkyDrive は、ドキュメント、写真、携帯電話のカメラ ロール、そして PC の設定を保存するためのクラウド ストレージです。SkyDrive は Windows Phone のカメラ ロールと連携するため、撮影したすべての写真は自動的にクラウドのフォト アルバムにコピーされます。SkyDrive を使えば、Office Web Apps か Office クライアント アプリケーションかに関係なく、Office ドキュメントを簡単に共有して共同作業を進めることができます。開発者の皆さんは、SkyDrive API (英語) を使って、必要に応じてより深いレベルのローミングとサポートを提供できます。コントラクトファイルの選択機能 (英語) という Windows 8 のすばらしい機能を使えば、Windows 8 のあらゆる Metro スタイル アプリから SkyDrive のデータにアクセスすることができます。

私たちは、さまざまな企業が提供するサービス、特にソーシャル ネットワークやコミュニケーション関連のサービスをお客様がご利用にな��ことを認識しています。そこで私たちは、Microsoft アカウントを他社サービスに関連付けられるようにしました。関連付けられたサービスは通常の連絡先一覧と同様にクラウドに保存され、各デバイスにローミングされます。つまり、たとえば Microsoft アカウントと LinkedIn、Facebook、または Twitter を関連付けると、連絡先一覧にはこれらのネットワークの連絡先も表示され、PC からのメール送信や携帯電話からの発信ができるようになります。さらに、サード パーティの開発者をサポートするために Live SDK も用意しています。これにより開発者の皆さんは、Metro スタイル アプリはもちろん、その他プラットフォーム用のアプリとサービスをクラウドに対応させることができます。Microsoft 提供の API は、OAuth 2.0、JSON、REST、Exchange ActiveSync、XMPP といったおなじみの標準プロトコルを採用しています。

クラウド対応で設計された Windows 8 には、コミュニケーション、共有、スケジュール設定、写真、ビデオ用の Metro スタイル アプリが搭載されています。これらのアプリのプレビュー版が、Windows 8 Consumer Preview にインストールされているメール、カレンダー、People、フォト、メッセージング、そして SkyDrive です。これらはすべてクラウド サービスを基盤とするので、Microsoft アカウントでサインインすれば、電子メール、カレンダー、連絡先、メッセージ、共有のフォト アルバムが各アプリに表示されます。ご家庭で PC を共有しているお客様向けのファミリー セーフティも Windows アカウントの機能に追加されたため、別途ダウンロードしていただく必要はなくなりました。既にお伝えしたように、Windows Phone にも同じアプリのセットが搭載され、クラウド サービスと連携し、Microsoft アカウントに関連付けられます。Windows 7 をお使いのお客様は、フォト ギャラリー、ムービー メーカー、メール、Messenger、ファミリー セーフティ、さらに公開されたばかりの Windows デスクトップ用 SkyDrive で構成される Windows デスクトップ アプリのセットをご利用いただけます。 

新しい Windows 8 環境でご利用いただけるソフトウェアとサービスの関係を次の表にまとめました。

サービス

Windows 8

Windows Phone

Web/HTML 5

(live.com)

API (msdn.microsoft.
com/ja-jp/live)

以前のバージョン

アカウント

Microsoft アカウント

Microsoft アカウント

Account.live.com

OAUTH

Windows Live ID、Passport

ストレージ/
ドキュメント

SkyDrive アプリ、SkyDrive デスクトップ

SkyDrive アプリ、Office アプリ

SkyDrive.com

REST、JSON

FolderShare、Live Mesh、Windows Live Mesh

電子メール

メール アプリ

メール アプリ

Hotmail.com

EAS

Windows Live メール、Outlook Express

カレンダー

カレンダー アプリ

カレンダー アプリ

Calendar.live.com

EAS、REST

Windows Live メール、Windows カレンダー

連絡先

People アプリ

People アプリ

People.live.com

EAS、REST

Windows アドレス帳

メッセージング

メッセージング アプリ

メッセージング アプリ

Hotmail と SkyDrive に統合

XMPP

MSN Messenger

写真/ビデオ

フォト アプリ、フォト ギャラリー、ムービー メーカー

フォト アプリ、カメラ ロール

Photos.live.com

REST、JSON (SkyDrive 経由)

Windows Live フォト ギャラリー、Windows Live ムービー メーカー

今後の数週間では、PC、携帯電話、Web を活用する個人ユーザー向け Microsoft のソフトウェアとサービスに関する情報提供をさらに拡充していく予定です。Microsoft アカウント、各種クラウド サービス、SkyDrive、Hotmail、Messenger に関する詳しい情報のほか、今後予定している Skype 関連の取り組みについてもお伝えしていきます。現時点でも、Windows 8 Consumer Preview、Windows Phone、Hotmail または SkyDrive の Web、その他お使いのデバイスで私たちのアプリとサービスを使い始めることができるので、ぜひ試してみてください。

-- Chris Jones