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Dynamics CRM 4.0 : E-mail Router と Exchange Server 2010 の構成 (設置型)

Dynamics CRM 4.0 : E-mail Router と Exchange Server 2010 の構成 (設置型)

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あけましておめでとうございます。

2010 年初めの記事は、はやり 2010 が付くものをと思いましたので、今日は Exchange Server 2010 と CRM 4.0 の
構築を紹介したいと思います。

先日リリースされた Update Rollup 8 の新機能として、 Exchange Server 2010 への対応があります。
まだ Exchange Server 2010 を導入されている環境は少ないかも知れませんが、US ブログで設定方法が公開
されましたので、本日はそちらを日本語版として、紹介します。

Exchange Server 2010 は、従来の WebDAV アクセスから、EWS (Exchange Web Services) アクセスへと
機能の置き換えがありました。そのため、CRM 4.0 でも Update Rollup 8 でこの変更に対応しています。
Update Rollup 8 以降では、E-mail Router は WebDAV、EWS 両方の機能が使用でき、Exchange Server も
2003、2007、2010 への対応が可能となっています。

以下が、今回の記事の前提条件です。

  • Microsoft Dynamics CRM 4.0 設置型 Update Rollup 8 適用済み
  • Microsoft Exchange Server 2010
  • Microsoft Dynamics CRM 4.0 E-mail Router 設置型 Update Rollup 8 適用済み

では実際に、構成のステップを見ていきましょう。

Microsoft Exchange Server 2010 での作業

Exchange の Impersonation 権限を付与する

Microsoft Exchange Server 2010 は Exchange Server 2007 と同じ体系のアクセス制御を採用するとともに、
管理が容易で、詳細な権限コントロールが可能となる、ロール ベースのアクセス制御 (RBAC) を採用しています。 
それに伴い、新しいコマンド群も実装されており、ユーザーとメールボックスの偽装が、色々なスコープで可能です。

偽装は、複数のメールボックスの管理を行うために必要です。偽装権限を持ったプロファイルは、スコープ内にある
全てのメールボックスにアクセスすることが可能です。

では、実際の操作手順を見ていきましょう。ここでは 2 つのシナリオを紹介します。

シナリオ 1: 1 つのユーザーアカウントで、全ての CRM ユーザーとキューのメールボックスにアクセスする場合

1. まず、 Exchange 管理シェルを起動します。
スタート | 全てのプログラム | Microsoft Exchange Server 2010 | Exchange Management Shell

2. 管理シェルは Exchange サーバーに接続し、以下の画面を表示します。

[PS] C:\Windows\System32>.

3. 以下のコマンドを管理シェルで実行します。ここでは偽装するユーザーアカウントを RouterAdministrator とします。

New-ManagementRoleAssignment   –Name: "ImpersonationName

-User: "RouterAdministrator@YourOrganization.com"   –Role:"ApplicationImpersonation”

この例は、ImpersonationName という名前の新しい管理ロールに、ApplicationImpersonation ロールを割り当てます。
User は偽装権限を与えられるアカウントであり、このコマンド実行後に、全てのメールボックスにアクセスできます。

[New-ManagementRoleAssignment コマンドの詳細は、こちらから]

シナリオ 2: 1 つのユーザーアカウントで、特定の CRM ユーザーとキューのメールボックスにアクセスする場合

このシナリオは、特定のメールボックスに対するアクセス権だけ、偽装アカウントに与えるため、セキュリティの観点から
好ましいものだと思います。個人的にはお勧めですが、新しいユーザーが追加される度に、メンテナンスが必要です。

1. シナリオ 1 の手順で Exchange 管理シェルを開きます。

2. まずは、対象となる一覧のフィルターを作成します。以下のコマンドを管理シェルで実行します。

New-ManagementScope   –Name: "ManagementScopeName

–RecipientRestrictionFilter { Name  -eq  "crmuser1" }

この例は、ManagementScopeName という新しいスコープに、crmuser1 ユーザーを追加しています。

[New-ManagementScope コマンドの詳細は、こちらから]

3. 作成されたフィルターを利用して、新しい管理ロールを作成します。

New-ManagementRoleAssignment   –Name: "ImpersonationName

-User: "RouterAdministrator@YourOrganization.com"   –Role: "ApplicationImpersonation”

-CustomRecipientWriteScope: ”ManagementScopeName

※尚、付与した偽装権限を削除した場合は、Remove-ManagemntRoleAssignment コマンド実行してください。

[Remove-ManagemntRoleAssignment コマンドの詳細は、こちらから]

Microsoft Dynamics CRM での作業

CRM ユーザーとキューで E-mail Router を使用するように設定を変更する

CRM ユーザーとキューは、E-mail Router を使用して、メールの送受信ができるように、設定可能です。そのためには
ユーザー、キューともに有効な電子メールアドレスを設定し、電子メール アクセスの種類で E-mail Router を指定する
必要があります。システム管理者で、以下の設定を確認してください。

CRM ユーザー

1.  設定 | 管理 よりユーザーをダブルクリックして、電子メール アクセス構成を以下のように変更してください。

image

2. 上記設定後、ユーザーは各自でどのメールがトラックされるかを、選択することができます。 ツール | オプション を開き、電子メールタブをクリックしてください。

image

CRM キュー

1.  設定 | 事業部管理 | キュー よりキューをダブルクリックして、電子メール アクセス構成を以下のように変更してください。

image

2.  キューもユーザー同様、トラックするメールの種類を選択できます。
image

Microsoft Dynamics CRM 4.0 E-mail Router (設置型) の作業

E-mail Router インストール後、スタート | すべてのプログラム | Microsoft Dynamics CRM E-mail Router より
Microsoft Dynamics CRM E-mail Router 構成マネージャ を起動してください。構成マネージャには、以下のように
3 つのタブがあります。

image

構成プロファイル : E-mail Router を構成する初めのステップとして、受信と送信のプロファイルを作成します。これらの
プロファイルには、メールサーバーの情報や認証情報、使用するポートの情報などが含まれます。

展開 : 次のステップとして、Dynamics CRM サーバーの情報を、展開タブに登録します。ここには、CRM サーバーの
情報や、認証情報が登録できます。またデフォルトで使用する、プロファイルを設定できます。

ユーザー、キュー、転送用メールボックス : 最後のステップは、ユーザーやキューにプロファイルを割り当て、また
必要に応じて転送メールボックスの指定を行います。またこの画面から、アクセスのテストが可能です。

では早速それぞれの作業ステップを確認しましょう。

Exchange Server 2010 用受信プロファイルの構成

  1. 構成プロファイルタブをクリックして、新規ボタンをクリックします。
  2. プロファイルに任意の名前をつけます。※ここでは Exchange 2010 Incoming Email とします。
  3. 通信方向で、受信を選択します。
  4. プロトコルExchange Web サービスを選択します。
  5. 電子メールサーバーの種類で、Exchange 2010 を選択します。
  6. 認証の種類Windows 認証に設定します。
  7. Microsoft Exchange Server 2010 の web services URL を入力します。
    既定では、以下の URL になります。
    https://<Exchange-2010-Server-Name>/EWS/Exchange.asmx  
    ※尚、 E-mail Router は自己署名の証明書は使用できません。ドメインの CA かパブリックの CA から
    発行された証明書を利用してください。Exchange Server 2010 の初期の証明書は自己署名です。

      image
  8. E-mail Router が使用する権限を、アクセス資格情報で選択します。
  • ローカル システム アカウント を選択した場合、E-mail Router サービスを実行している権限で接続を行います。
    このユーザーは CRM 組織内で、システム管理者の権限を持っている必要があり、Exchange の偽装権限も
    持っている必要があります。この設定は主に、サービスユーザーが管理者権限を持っていて、かつ、大規模な
    メールボックスをポーリングする場合に使用されます。
  • ユーザー指定 を選択した場合、CRM 内に保存されたユーザー名とパスワードを使用します。
  • その他の指定 を選択した場合、ここで指定されたユーザー名とパスワードを使用します。指定するユーザー名は
    ドメイン名\ユーザー名の形式で指定してください。このユーザーは、Exchange 偽装の権限をもつ必要があります。
    ※ここでは、上記手順で偽装権限を指定したユーザーを指定しています。

※Exchange Server 2007 を使用している場合は、上記のステップ 5 で Exchange 2007 指定してください。

Exchange Server 2010 用送信プロファイルの構成

以前のバージョンと同様に、Update Rollup 8 が適用された E-mail Router も SMTP のみサポートします。

  1. 受信プロファイル同様、新規ボタンをクリックします。
  2. プロファイルに任意の名前をつけます。※ここでは Exchange 2010 Outgoing Email とします。
  3. 通信方向で、送信を選択します。
  4. プロトコルSMTP を選択します。
  5. 電子メールサーバーの種類で、SMTP が自動的に選択されます。
  6. 認証の種類を適切に設定します。 
  7. Microsoft Exchange Server 2010 のサーバー名のみを場所に入力します。
    image
  8. 必要に応じて SSL を使用 にチェックを入れます。
  9. Exchange の偽装権限を持つユーザーを、アクセス資格情報に設定します。

展開の構成

次のステップは、構成です。E-mail Router 構成マネージャで構成タブをクリックして、以下の手順を行ってください。

  1. 新規をクリックします。初期設定では、自分の会社が選択されています。
  2. Microsoft Dynamics CRM Server の場所に入っている、http://discovery/<OrganizationName>
    discovery 部分を CRM サーバー名に、<OrganizationName> 部分を組織名に置き換えます。
    注意:組織名は大文字小文字を区別します。
  3. もし SSL が有効になっている場合には、その下の欄に正しいポート番号が入っていることを確認します。 
  4. CRM サーバーへ接続するためのユーザー情報を、アクセス資格情報で選択します。
    • ローカル システム アカウント を選択した場合には、E-mail Router のサービスアカウントを使用します。
    • その他の指定 を選択した場合には、ドメイン名\ユーザー名の形式で入力してください。
  1. 受信構成プロファイル で、作成したプロファイルを選択してください。
  2. 送信構成プロファイル も同様に指定してください。
    ※ここで指定したプロファイルは、読み込まれたユーザーやキューの既定となります。複数のプロファイルが
    ある場合には、ユーザーやキューごとに、手動で変更が可能です。
    image
  3. OK をクリックして保存します。

ユーザー、キュー、転送用メールボックスの構成

最後のステップは、ユーザー、キュー、転送用メールボックスの構成です。

  1. 構成マネージャーでユーザー、キュー、転送用メールボックスの構成タブをクリックします。
  2. データの読み込みをクリックします。結果、CRM 内で E-mail Router を使用するように構成されたユーザー
    およびキューの一覧が表示されます。
    ※もし読み込みエラーが出る場合には、以下の点を確認してください。
    - 組織名の大文字小文字が正しいか。組織名は展開マネージャから確認できます。
    - CRM サーバーとは異なる場所に E-mail Router をインストールしている場合には、CRM で使用するポートが
    ファイアウォールによって閉じていないか。
    - 展開の構成で、再度ユーザー名とパスワードの確認
    ※もし読み込みが成功しても、なにもリストされない場合には、ユーザーやキューの設定で E-mail Router を
    使用するよう設定されているか、確認してください。
  3. 転送用メールボックスを使用する場合には、転送用メールボックスタブをクリックして、新規をクリックします。
  4. 転送用メールボックスのプロファイル名を指定します。※ここではForwardMailbox とします。
  5. 転送用メールボックスの電子メールアドレスを指定します。
     image
  6. OK をクリックします。 

Q. 転送用メールボックスとは?

A. 転送用メールボックスとは、E-mail Router が受信メールを処理する場合に利用できる、オプションの 1 つです。
全てのCRM ユーザーやキューのメールがこの転送用メールボックスを使う場合、 E-mail Router は 1 つのメール
ボックスだけを監視、処理すれば良くなります。また管理者もこのメールボックスだけを監視すれば良くなります。
メールは、添付ファイルとして転送用メールのメールボックスに転送されます。転送用メールを使用する場合には、
電子メールアクセス構成より設定を変更してください。

image

アクセスのテストと公開

最後のステップは、アクセスのテスト公開です。全ての設定が完了したら、アクセスのテストを行ってください。
成功すると、以下のような画面が表示されます。
 image

全てのテストが完了したら、公開ボタンをクリックして、ルールを公開してください。公開されなかったルールは
保存されませんので、ご注意ください。

展開ルールの構成

転送メールボックスの機能を使用するためには、転送ルールを設定する必要があります。しかし、ルールを自動で展開する
ルール展開ウィザードが、現時点では Exchange Server 2010 で使用できないため、手動でルールを作成します。

  1. Outlook Web App にルールを設定したいユーザーでログインしてください。既定の URL は以下の通りです。
    https://<Exchange-2010-Server-Name>/owa 
  2. 画面右上にある、オプションをクリックします。
  3. 電子メールの整理をクリックして、受信トレイルールより、新規作成をクリックします。
  4. その他のオプションをクリックします。
  5. 実行する処理より、転送、リダイレクト、または送信を選択し、メッセージを添付ファイルとして転送する
    選択します。
  6. 転送先として、転送メールボックスを選択します。
  7. ルールに任意の名前をつけます。※ここでは CRM 転送ルールとします。
    image
  8. 任意の適用ルールを指定して、保存します。ベストプラクティスは、極力 CRM 関連のメールのみ転送する用、
    設定を行うことですが、ルールを絞れない場合は、すべてのメッセージの適用を選択してください。

Q. メッセージを添付ファイルとして転送するとは?

A. 受信したメッセージは添付ファイルになり、転送先へ送信されます。この処理は、E-mail Router が処理をする上で
必須のオプションとなります。E-mail Router は転送メールボックスを監視しており、転送されたメールを検査したのち、
該当するものだけを、CRM 上に活動として登録します。それ以外の電子メールは削除されます。

さて、以上で Exchange Server 2010 の構成方法はおしまいです。まだ導入されている方は少ないと思いますが、
Exchange Server 2007 でも Web サービスを利用した構成は行えますので、検証のために設定を変更するのも
いいかも知れませんね。Exchange Server 2010 は、数々の新機能もありますので、是非導入をご検討ください。

情報元: How to Configure Microsoft Dynamics CRM 4.0 E-mail Router (On-Premise) with Microsoft Exchange Server 2010
http://blogs.msdn.com/crm/archive/2009/12/21/how-to-configure-microsoft-dynamics-crm-4-0-e-mail-router-on-premise-with-microsoft-exchange-server-2010.aspx


- Dynamics CRM サポート 中村 憲一郎

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