川西 裕幸のブログ

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SIGGRAPH 2007 と日本の研究者

SIGGRAPH 2007 と日本の研究者

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SIGGRAPH は数万人が集まる ACM 主催のコンピュータ グラフィックスの学会&展示会です。毎年7月末か8月初旬に米国の各都市で開催されます。昨年は Boston、今年は San Diego、来年は Los Angels です。

学会ですので論文発表(paper)はもちろんありますが、それ以外に講義(course)、実践的な発表のスケッチ(Sketch)、パネルディスカッション(Panel)、ポスター展示(Poster)、体験的な展示(Emerging Technologies)、そして製品展示会(Exhibition)、求人(Job Fair)、さらに映像を集めた Animation Theater と Electronic Theater など、それ以外にも盛り沢山な内容です。

研究者や学生はもちろん、ゲームや映像のデザイナやプログラマの人たちも数多く参加しています。日本人もたくさん参加しています。発表や展示についても、Emerging Technologies はトータル33件のうち13件が日本の大学ですし、Poster では約200のポスターのうち50以上が日本の大学のものです。日本の大学ってこんなにCGを研究していたんだ!と驚くほどです。

しかし、今年の論文は東大とOLMデジタルの2点が発表されましたが、論文総数が100弱なので論文のシェアとしてはかなり低くなります。以前、私は単純に日本の大学はヘボいなと思っていましたが、これは産業構造のためかもしれないなとも思い始めました。

米国ではSIGGRAPHなどで発表されたCGの研究成果は映画やゲームというエンターテインメントですぐに実用化されます。映像やゲームのプロダクションにR&Dがあるので、学生や研究者がプロダクションで働く機会も多いようです。有名な Pixar やILM や Dream Works などには博士がたくさん働いています。

翻ってほとんどの日本の映像・ゲーム プロダクションには、R&Dなどありません(OLMデジタルが例外的に持っていますが...)。したがって学生や研究者の就職口がないし、研究成果を映像やゲームに反映させる機会もないことになります。さらに研究者にお金も回りません。

千人規模の製造業であれば、R&Dとか研究所を持っていて、明日の飯のタネを自分たちで研究するのが当たり前だと思うのですが、日本のエンターテインメント業界ではそういう形にはなっていないのが現状です。これがSIGGRAPHで論文を発表するような研究者が育たない原因の一つではないかと思い始めています。

SIGGRAPH 2007 の Poster展示の様子。
発表の時間もあり、そのときは展示責任者と参加者がディスカッションできます。

 

  • CHIやSIGGRAPHのようなアカデミックのカンファレンス(学会)に参加すると、いつも(欧米と日本の)彼我の差を感じます。 SIGGRAPHに参加した時にも書きました が、今回も「産」から「学」への「金」の流れと、「学」から「産」への「人」の流れを感じました。

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