Windows ストア ゲームの開発

Windows 8 アプリ開発者ブログ

Windows 8 エンジニアリング チームが語る Windows 8 向け Metro スタイル アプリの開発

Windows ストア ゲームの開発

  • Comments 0

Windows 8 によってもたらされた、革新的なフォーム ファクター、新しいチップ アーキテクチャ、強力な商用モデル、多大なチャンスにより、PC を取り巻く環境は変化しました。PC ゲームは、長らくコンピューターを楽しむための主要な手段となってきました。現在ではこれまで以上に、ゲームは、デバイスを取り巻くこの新しい環境の価値を代表するものとなっています。Windows ストアによって、ゲームの入手、プレイ、友人との共有、安全な更新がより簡単に行えるようになりました。ゲームがもたらす膨大なダウンロード数、多大な収益、新しいプラットフォームへのユーザーの関心の移行は、不思議なことではありません。GDC を間近に控え、Windows 8 がもたらすチャンスに対するゲーム開発者の興味は高まっています。

それでは、優れた Windows ストア ゲームはどのようにして作成するのでしょうか。ゲームの創造性、革新性、収益性、開発の容易さのために、Windows は何を提供しているのでしょうか。また、どのようなツール、テクノロジ、サービスを使用できるのでしょうか。エコシステムでは何が利用できるでしょうか。Windows 8 の開発時に開発者に共有 (英語) されたその他の発見にはどのようなものがあるでしょうか。この記事では、こうしたトピックに関する質問の回答を明確にし、すばらしい Windows ストア ゲームを開発する方法を説明します。

Windows 8 のゲーム デザインおよび開発に関する考慮事項

Windows 8 は、特にエンターテインメント エクスペリエンスの楽しさを追求するために設計および開発されました。Windows 8 ユーザー エクスペリエンス (UX) ガイドラインでは、境界線や余分なウィンドウの装飾を表示せずに高速で滑らかな対話式操作と、全画面イメージを実現することを奨励しています。このデザイン ガイダンスは、イマーシブ エクスペリエンスを通じてユーザーの関心を引きつけ、案内のための対話式操作を提供するエクスペリエンスにアプリの重点を置くことを推奨しています。メイン ゲーム コントロールは簡単にアクセスできるようにして、サブ コントロールは必要になるまでアプリ バーまたは設定パネルにまとめておくようにします。こうした原則は、一般的なアプリには適切なものですが、ゲームにはどのような効果があるのでしょうか。これまでにもゲーム開発者は、高速で滑らかな全画面のイマーシブなエクスペリエンスを長い間にわたって提供してきました。それにもかかわらず、次のような基本的な疑問がいつも付きまといます。

  • ゲーム メカニクスは、強力なデスクトップ PC からノートブックおよびタブレットまでどのようにスケーリングを行うか
  • ターゲットとすべき最も重要なフォーム ファクターは何か
  • タッチ、ゲーム コントローラー、およびキーボード/マウスをゲームで同時に有効化することは可能か
  • 最も重要な画面サイズ、縦横比、解像度は何か

ゲーム開発者は、長期間にわたり PC コミュニティに楽しいゲームを提供するためにさまざまなテクノロジを使用してきました。Windows で使用される API は、時間と共に大きく進化しました。Windows 8 では、新たな開発プラットフォームが追加されました。Windows ランタイム API は、過去の API から最適なテクノロジを集約しており、パフォーマンス、セキュリティ、開発の一貫性、サービスにおいて大きく強化されています。Windows ストアは、ゲームの検索、配布、提供のための新しい手段を追加するものです。こうした新しい API は、新たな開発モデルをターゲットとするゲーム開発者にとって大きな付加価値をもたらします。Windows ストア ゲームの開発を始めるにあたって、次のような疑問を持つ場合もあるかもしれません。

  • ゲーム開発用に最適な Windows ランタイム API は何か
  • 開発モデルは、さまざまなゲーム ジャンルにどのように対応するのか
  • 他のプラットフォームからのコードの移行はどのように行うのか
  • 古いバージョンの Windows からどのようにしてコードを更新するのか
  • 更新が必要なゲーム アセット (存在する場合) はどれか
  • 開発コストの削減に役立つリソースはあるか
  • DirectX SDK の入手先はどこか

ゲームの刷新

すべてのゲームは、アイデアの着想から始まります。こうしたアイデアの着想の場は、非常に多岐にわたります。散歩しているとき、あるいはシャワーを浴びているときに、不意に頭に浮かぶことがあります。また、チームでのより協力的で反復的なアプローチからアイデアが得られることもあります。アイデアを思いついたら、ゲームのタイプを決定する必要があります。おそらく、新しいユニークなゲームにしたいと考えることでしょう。あるいは、既存のゲームを移植することを考えるかもしれません。シューティング、パズル、レース ゲーム、どのようなタイプのゲームでも、Windows ストアにはそのためのホームが用意されています。ゲームの導入事例 (英語) (//build/ 2012) を参考にしてください。Windows ストアの開発者アカウントを保持していれば、着想を得たいゲームのサブカテゴリを閲覧し、さまざまな分野でさまざまなゲーム カテゴリがどのように展開されているかを確認できます。

ゲーム デザイン ガイダンス

開発するゲームが決まったら、フロントエンドのデザインを決定しておくことで、後の開発期間を大幅に節約できるかもしれません。「Windows 用の優れたゲームの設計」では、タイルと通知によってプレーヤーの興味を引き寄せ、関心を高めるための最適な方法について、参考になる概念を示しています。また、使用すべき全体的なレイアウトのタイプ、メイン コントロールとサブ コントロールを配置すべき場所についての推奨も提示されています。

また、対話式操作、タッチ、センサー、コントラクトをゲームに組み込む方法について推奨事項を確認できます。開発範囲を決めるために、ゲームのメカニクスおよびコントロールに関する決定はできるだけ早く行うべきです。とは言え、Windows ランタイム プラットフォームでは、さまざまなフォーム ファクターに対応するため個別にメカニクスを設計する必要がないよう、同じコードでタッチ、ペン (インク)、マウスをサポートすることが以前にも増して容易になっています。すべての Windows PC にゲーム コントローラーを接続できるため、ゲーム コントローラーのコントロール メカニズムをゲームに含めるようにしてください。

ゲームの対話式操作およびメカニクスをプレーヤーにどのようにして、どのようなペースで紹介するかを計画します。このペースが遅すぎると関心を失い、速すぎると不満を感じるかもしれません。おそらく最も重要になるのは、収益化のモデルと使用する商用プラットフォームを決定することです。Windows ストアでは、それぞれのビジネス モデルの選択を行うことができます。無料プレイ、広告ベース、アプリ内購入、ダウンロード可能コンテンツがサポートされます。Windows ストアのゲームでは、組み込みの期間ベースまたは機能ベースの評価版を利用できます。また、サード パーティの商用プロバイダーを使用したり、独自に展開することができます。いずれの方法でも、これらの問題は金銭面または人気面でのゲームの成否に大きく影響するため、重要な考慮事項です。

すべての Windows ストア アプリの場合と同様に、ゲームではさまざまなライセンス認証、ビュー状態、および中断状態をサポートする必要があります。このデザイン ガイダンスでは、ゲームを一時停止する方法とタイミング、ゲーム状態を中断する方法とタイミング、そしてフル スクリーン表示、スナップ表示、全画面表示の状態を処理する方法について、考慮が必要となる場合に役立つ情報を提供しています。ゲームにおける、横向きと縦向きのサポート方法を決定します。さまざまな画面サイズ (またはその一部) に合わせてゲーム アセットの解像度を調整する場合に、捕捉対象、その他の画面上のコントロールのサイズを考慮してください。また、画面の縦横比、解像度、および DPI 設定を考慮することを忘れないでください。これによって、任意の画面サイズおよびスケール倍率で、ゲーム コンテンツが正しくレンダリングされます。

最後に、ゲームのアクセシビリティおよびソーシャル機能の向上に役立ついくつかの追加事項について検討してください。ハイ コントラスト モードやより大きなオーディオ キューは、可視性やプレイ性を高めるため、照明不足の条件下や、視覚障碍のあるプレーヤーもプレイできるようにします。さらに、オンライン ID (認証)、他のアプリへのデータ ローミング共有のためにプラットフォームの組み込みの機能を活用することによって、ゲーム結果の比較、異なる PC でのゲーム プレイなど、ソーシャル ゲームの参加へと導くことができます。

ゲーム開発ガイダンス

DirectX は、Windows ゲーム開発プラットフォームの中核であると見なされています。ただし、他にも多くのコンポーネントが開発されており、多様な Windows ゲーム エコシステムのサポートでプラットフォームが必要とするすべての機能を提供するため、Windows 8 SDK に移行されました。Microsoft では、一貫性がある包括的な開発アプローチを提供しています。また、他のゲーム開発プラットフォームから習得されたベスト プラクティスを組み込みました。しかし、最も重要なのは、アーキテクチャ面の 2 つの主要な目的を強調し、また追求したことです。ブログ記事「すべてにハードウェア アクセラレーションを: Windows 8 のグラフィックス」で紹介されたように、各アーキテクチャの決定においてはパフォーマンスと電力消費量が鍵になります。プラットフォーム全体で高速かつ滑らかなエンターテインメント エクスペリエンスを提供するように設計された Windows 8 は、まさにゲーム開発にうってつけです。

C++ と DirectX (推奨されるゲーム開発言語の組み合わせ)

Windows ランタイムは、便利で一貫性のある手段で、すべての新しいデバイスおよびセンサーを公開する強力な API セットを提供しており、Windows イベントの処理を簡素化しています。単一の Windows SDK が用意されているので、Windows ストア ゲームを開発するために必要なすべての API が Microsoft Visual Studio 2012 で利用可能です。最も高い再現性でイマーシブなエクスペリエンスを得るには、3D ゲームの開発に Windows 8 DirectX API を使用することが推奨されます。これは最も開発の容易な DirectX バージョンであり、DirectX 9.1 から DirectX 11.1 で公開された最新の全ハードウェア機能に至るまで、さまざまなグラフィックス機能レベルをサポートし、電力効率の高い ARM ベースの携帯用 Windows 8 タブレット PC からオーバークロックされたマルチ GPU ゲーマー デバイスに至る、あらゆる PC に対してゲームを調整することが可能になります。

特定の開発言語を使い慣れていれば、Windows 8 で既存のスキルおよびエクスペリエンスの多くを活用できます。Windows ストア ゲームは、開発するゲームのタイプおよび開発者の好みに合わせて、さまざまなテクノロジを組み合わせて開発できます。1 つの構文またはモデルに強制または制限されることはありません。マネージ コードの開発者は、Windows ストア プラットフォームの長所と機能を活用する XAML を使用することで、より優れたスムーズな 2D ゲームを開発できます。Web 開発者であれば、Windows ストアを通じて収益化することができるゲームを作成するために、既存の Web および Web ゲーム開発のスキルを活用できます。3D の対話型ゲームの場合には、C++ と DirectX (オプションで XAML) を使用することをお勧めします。この記事ではこれ以降、この組み合わせに重点を置いて説明します。

ゲーム開発コンポーネント

Windows 8 では、各 OS バージョンに付属し、各 PC 上に存在する組み込みのゲーム テクノロジを提供しているため、その配布または複数バージョンの管理について心配することはありません。追加コンポーネントの検索、ダウンロード、インストールの必要はありません。

Windows 8 ゲーム開発コンポーネントおよびライブラリ図 1: Windows 8 ゲーム開発コンポーネントおよびライブラリ

グラフィックス、オーディオおよび入力、ファイル I/O、スケジューリング、数学演算、ネットワーキングの各コンポーネントは、選択した開発言語でアクセス可能です。低レベル コンポーネントは、より大きな柔軟性、リソース管理、パフォーマンスを提供しますが、必要なデータの処理およびフローの包括的な制御のためのコードが増大する可能性があります。C++ では、Windows 8 プラットフォームの GPU、CPU、および低レベルのサービスに対する直接的な行記述が可能であるため、高いパフォーマンスのコードが作成できます。新しい C++/CX の言語拡張により、構文は C# の単純さに近づいています。参照カウントによる透過的なオブジェクト管理が得られ、ゲームのスムーズなパフォーマンスを損なう可能性があるランタイム レイヤー、ガベージ コレクション、または Just-In-Time コンパイル動作は発生しません。

Windows 8 DirectX テクノロジでは、3D および 2D グラフィックス、メディア、画像、その他多くのゲーム コンポーネントのために、構築基盤となる API、コンポーネント、およびライブラリの包括的セットを提供しています。包括的な概要については、「DirectX ゲーム開発の概要」を参照してください。新しい Windows 8 グラフィック スタックはより緊密に統合されているため、Direct2D、Direct3D、DirectVideo、および DirectCompute の各コンポーネントを容易に組み合わせることができ、必要な重複リソースが以前よりも少なく済みます。また、XInput ライブラリでは Xbox コントローラーの組み込みのサポートを追加しました。詳細については、「DirectX ゲームでの入力とコントロールの使用」を参照してください。XAudio2 によるオーディオとサウンドのミックス用の強化された API については「DirectX ゲームでのオーディオの使用」、簡単な数学関数と型については「DirectXMath プログラミング ガイド」を参照してください。

DirectX/C++ 開発アプローチの最も優れた利点の 1 つは、Windows ストア ゲーム (および Windows デスクトップ ゲーム)、Windows Phone ゲーム、および Xbox 360 ゲームの作成に、かなりの量のコードを再利用できるということです。DirectX API は、すべての Microsoft ゲーム プラットフォームと関連しています。優れた Windows ゲームを開発するために必要なものはすべて、ランタイム、Windows SDK、および Visual Studio 2012 に含まれています。従来の DirectX SDK については、「DirectX SDK の入手方法」(英語) を参照してください。Windows 8 では、いくつかの追加開発モデルが利用可能です。DirectX と XAML の相互運用をサポートするハイブリッド モデルでは、最適な制御とパフォーマンス、WinRT UI ツールキットの利便性が得られます。

開発ツール

Microsoft では、Windows ストア ゲーム開発者の要求を満たす優れたツール セットを提供しています。Visual Studio 2012 には、Direct3D 用の開発のひな形となる DirectX Windows ストア アプリ用テンプレートが含まれます。このテンプレート コードでは、基本的なビュー プロバイダー インフラストラクチャとウィンドウ サポート、およびすべての必要なヘッダーとコンポーネントへの参照が提供されます。どのゲーム開発モデルを選択する場合でも、ベスト プラクティスへの準拠を確認できるその他のテンプレートも用意されています。

さらに、ゲーム開発、デバッグ、およびプロファイルの向上に貢献する新機能が Visual Studio 2012 に追加されました。グラフィックス アプリケーション開発のシームレスな統合のために、Visual Studio 2012 グラフィックス ツールへの投資が行われました。これまでに使い慣れた IDE インターフェイスを離れることなく、3D モデル、ビュー テクスチャ、画像の操作、または HLSL シェーダーの作成、編集、コンパイルが可能です。Visual Studio 2012 でのグラフィックス負荷の高い DirectX アプリケーションのデバッグは、グラフィックス API のキャプチャおよび再生機能 (以前には Windows PIX と呼ばれていました) の統合により、より直感的に実行できるようになりました。

サンプルおよびチュートリアル

これらのサンプルでは、ゲーム開発を迅速に開始するための一連の優れたソース コードの例が提供されています。各サンプルは、特定のテクノロジまたは手法に重点を置いています。このチュートリアルおよびサンプルは、実際の進行を念頭に開発されました。開発の着手時に役立つ最も小さなコードと最も単純なアプローチから、論理的な順序に並んでいます。ゲーム全体が作成されるまで、各追加サンプルで以前のサンプルに 1 ~ 2 の概念を付加していきます。「Windows ストア アプリのコードの記述 (DirectX と C++)」では、Windows ストア アプリ用の DirectX および C++ コードを記述する場合に理解しておく必要がある事項についていくつか説明しています。

  1. Direct3D チュートリアル (英語):この 5 ステップのチュートリアルでは、Direct3D の初期化、サーフェスへの描画、スワップ チェーンを使用したサーフェスの更新の表示を行う方法について説明しています。このサンプルによって表示される「スピンする立方体」は、他の Direct3D サンプルによって拡張されるので、Direct3D API を初めて扱う場合には良い入門になります。
  2. DirectX タッチ サンプル (英語):これは、D3DTutorial のスピンする立方体に、最小限のタッチ サポートを追加する方法を示します。特に、Windows ランタイムにより提供されるタッチ イベントに、Direct3D アニメーションの更新を接続する方法を明らかにしています。ピンチによるズーム ナビゲーションについては、バンプ マッピングのサンプルを参照してください。
  3. Direct3D スプライト サンプル (英語):これは、XNA SpriteBatch API に似たスプライト バッチ動作の Direct3D 実装を提供するものです。スプライトは、3D シーンで独立して変形および管理できる 2D ビットマップであり、一般的に 2D ゲームで使用されるか、3D ゲームでコンピューティング負荷の高いオブジェクトまたは遠方のオブジェクトを表すために使用されます。
  4. リソース読み込みサンプル (英語):これは、シェーダー、テクスチャ、メッシュなどのリソースおよびアセットを読み込むためのアプローチを示します(各コンテンツ タイプは、プロジェクト内で関連するビルド ルールを持つことに注意してください。独自のコンテンツ プロセッサ アプリを追加し、それを呼び出す独自のルールをビルドできます)。
  5. Direct3D バンプ マッピング サンプル (英語):これは、通常のマップおよびピクセル毎照明を使用したバンプ マッピングを示しています。このサンプルは、通常のマップおよび色テクスチャを使用して、オブジェクトのサーフェスに影を付ける照明のコードを提供します。また、ジェスチャ レコグナイザーを含まない非常に基本的なピンチによるズーム制御を実装しています。
  6. Direct3D 後処理サンプル (英語):これは、Direct3D による Windows ストア C++ アプリで、ダウン スケーリング中間バッファーを使用する簡単な回転立方体シーンの後処理を示しています。このサンプルは、ハードウェアの機能レベルに応じて 2 つの異なるシェーダーの使用方法を示しています。パフォーマンス向上のため、より小さなサーフェスにレンダリングするように中間レンダリング ターゲットを変更した後、高品質の最終的なデバイス ネイティブの解像度にまでスケーリングできます。
  7. Audio2 オーディオ ファイル再生サンプル (英語):このサンプル アプリは、優れた聴覚的エクスペリエンスのために、低レイテンシーの対話的な効果音をもたらす XAudio2 API を DirectX ゲームに組み込む方法を示しています。
  8. XInput ゲーム コントローラー サンプル (英語):これは、DirectX ゲームに Xbox コントローラーのサポートを追加する方法を示しています。アナログ スティックの動きおよび押されたボタンに関するデータを Xbox ゲーム コントローラーの入力から読み取って、表示します。付属のコントローラーから入力状態を取得し、Direct2D および DirectWrite を使用してディスプレイに描画する方法を示します。
  9. Direct3D ステレオスコピック 3D サンプル (英語):Windows 8 は、コア OS 機能としてステレオ 3D をサポートします。このアプリは、DirectX ゲームにステレオスコピック 3D を組み込む方法を示しています。また、Direct3D でのシステム ステレオの変更に対応する方法も示します。
  10. 試用版およびアプリ内購入 (英語) は、ゲームの成功にとって非常に重要です。したがって、このサンプルでは、アプリ内購入によって有効になったゲームまたは機能のライセンス状態を決定するために、Windows ストアで提供されるライセンス API を使用する方法を示しています。

次に、個々の手法を完全なゲームで組み合わせるエンド ツー エンドのサンプルを示します。

  • DirectX の簡単な 3D シューティング ゲーム (英語):このエンド ツー エンドのサンプル アプリおよび包括的なコード チュートリアルは、簡単なファースト パーソン シューティング ギャラリー ゲームに、さまざまなコントロール タイプおよび DirectX 手法を組み込む方法を示しています。個々の手法サンプルのすべてについて基礎的部分を理解した後、Windows ストア Direct3D ゲームのすべてのコンポーネントが動作するようすを確認できます。
  • XAML DirectX の簡単な 3D シューティング ゲーム (英語):これは、C++ アプリで DirectX (Direct3D 11.1、Direct2D、XInput、および XAudio2) および XAML を使用した簡単なファースト パーソン 3D ゲームの基本的なエンド ツー エンドの実装を示しています。Direct3D は 3D コンテンツの描画、XAML はヘッドアップ ディスプレイやゲーム状態メッセージに使用されます。
  • DirectX Marble Maze ゲーム サンプル (英語):このエンド ツー エンドのゲーム アプリは、プレーヤーが傾き制御を使用して迷路の落とし穴を避けながらビー玉を転がす簡単な迷路ゲームです。これは、すべてのゲーム コンポーネントを単一のアプリケーションに組み入れる方法を示しています。また、完全なコード チュートリアルで、このアプリに関連するいくつかの詳細なガイダンスを用意しています。

ゲーム開発手法

ここで、ゲーム開発に特に関連するいくつかの開発パターン、ベスト プラクティス、および手法を確認しておきます。

  • 機能レベルが異なる Direct3D の開発」では、グラフィックス パフォーマンスのレベルが異なる多くのデバイスを対象にして最適化する方法について説明しています。これによって、C++ と DirectX を使用して Windows 用にビルドした Windows ストア ゲームの対象ユーザーを広げることができます。
  • 非同期プログラミング」では、マルチ コアおよびハイパー スレッディング CPU をゲームで活用する方法を説明しています。ゲームのグラフィックス、オーディオ、ロジック、ファイル I/O、およびネットワーク処理をすべて並列処理することで、最高のパフォーマンスとバッテリ寿命を得ることができます。
  • Windows ストア ゲームで従来のスレッド API (CreateThread など) ではなくスレッド プール並列化を使用してください。この記事 (英語) で説明されているように、タスク モデルでは応答性の高い UI の描画および維持が特に重要です。
  • 画面の向きのサポート」では、DirectX アプリケーションのコンテンツおよび入力に対する画面の回転と DPI スケーリングについて説明しています。これは、さまざまな画面解像度でゲームを適切に動作させるために役立ちます。
  • DirectX ゲームへのマウスのムーブ/ルック コントロールの追加」では、Windows ストア開発モデルにタッチを追加するために採用されている従来のマウスに似たナビゲーション手法について説明しています。
  • マウス コントロールの開発」では、システム カーソルを非表示にし、絶対値ではなく相対画面座標値を返す相対マウス コントロールの実装について説明しています。
  • ゲーム公開に関する要件」では、レーティングの認定やパッケージ化など、共通のゲーム公開のシナリオに関連するツールおよびサポートに関する情報を Windows 8 ゲーム開発者向けに提供しています。
  • Windows RT と ARM プロセッサのサポート」では、Windows RT デバイス上で DirectX Windows ストア ゲームを動作させ、Direct3D 機能レベル 9_1 をターゲットとして ARM パッケージをコンパイルする方法について説明しています。

開発の期間またはコストを削減するためのミドルウェアの使用

高品質のプロフェショナルなゲームの開発には、高いコストがかかる可能性があります。複数プラットフォーム向けのゲームの開発は、複雑でエラーが発生しやすく、さらなるコストの増大を招くことがあります。実績ある多くのゲーム スタジオは、ゲーム開発プロセスまたは「パイプライン」を構成するツールを構築し、制作技術を開発しています。こうした投資によりゲーム スタジオでは、異なるゲームおよびプラットフォーム間でのゲーム アセットの活用が容易になっています。レンダリング エンジン、ユーザー インターフェイス ツール キット、視界閉止、物理シミュレータ、オーディオ ビデオ制作、アニメーション補間、人工知能などは、一般的にゲーム開発に関連するテクノロジ カテゴリの一部でしかありません。開発および微調整のために数年かかるゲーム テクノロジもあります。

専用のゲーム パイプラインには非常に大きな価値があり、多くのスタジオではゲーム制作時のその投資を戦略的なものと見なしています。しかし、必ずしもすべての開発者がパイプラインを開発する時間とコストを掛けられるわけではありません。さいわいにも、サード パーティ ベンダーがこうした機能を提供するエンド ツー エンドのゲーム開発パイプラインまたは個々のテクノロジ ライブラリを提供しています。Windows 8 のリリース以来、多くのゲーム ミドルウェア ベンダーが提供製品を新しい Windows ストア アプリ モデルに移行させました。こうした製品を使用することにより、はるかに短期間により少ないリスクで Windows ストア ゲームを作成できます。今後、さらに多くのベンダーが Windows ストア ゲーム開発用の製品を発表および発売することが見込まれています。次に、Windows 8 ゲーム開発に対応する製品バージョンを発表または提供しているサード パーティ ゲーム ミドルウェア ベンダーをまとめました (執筆時点、アルファベット順)。

  • Appcelerator
  • appMobi {!}
  • Audiokinetic Wwise
  • Autodesk Scaleform
  • Cocos2d
  • Epic Unreal Engine 3
  • Exit Games Photon Server
  • Fortumo Mobile Payments
  • Firelight Technologies FMOD
  • GameSalad Creator
  • Havok Physics
  • Havok Vision Engine
  • MonoGame
  • Ogre Rendering Engine
  • NVIDIA PhysX
  • Scirra Construct 2
  • SharpDX
  • ShiVa3D
  • SlimDX
  • Unigine Engine
  • Unity 3d
  • Yoyo Games GameMaker
   

Microsoft XNA Game Studio 4.0 は、Xbox 360、Windows Phone、および Windows をターゲットとするゲーム開発パイプラインです。ただし、Windows ストア ゲーム開発に対しては互換性がありません (XNA ゲームは、Windows 8 デスクトップ アプリとしてはサポートされます)。Visual C++/CX による DirectX 開発では、XNA から多くのパターンおよびプラクティスを取り入れており、多くの概念的類似性を共有しています。したがって、以前にも増して、多くの XNA ゲーム開発者が DirectX および C++ 開発に比較的簡単に移行できるようになっています。また、XNA Game Studio 機能の多くを再現するオープン ソースの MonoGame (英語) ライブラリの活用に成功している開発者もいるようです。Windows ストアをターゲットとするゲームのために XNA で作成されたアセットを活用する方法に関する記事もいくつか執筆されています。このサブジェクトの詳細については、このリンク (英語) を参照してください。

ゲーム開発に関するその他のリソース

まとめ

Windows 8 は、PC を刷新するものであり、ゲームに最適な新しいフォーム ファクター、革新的テクノロジ、および収益性の高い商用モデルを備えています。このプラットフォームは、利用する人々に大きなチャンスをもたらす新たな領域です。Windows ストアには、執筆の時点で数千ものゲームが存在しており、その数は日々増加しています。この記事の目的は、こうした可能性を活かす優れた Windows ストア ゲームを自身で作成するために何が必要であるかその概要を説明することでした。ここで示した情報の目的は、Windows 8 がどのようにしてゲーム開発の簡略性、創造性、革新性、および収益性を高めるかを明確にすることでした。ここでは、Windows 8 プラットフォームで利用可能なツール、テクノロジ、およびサービスをレビューし、どのようなサード パーティ製テクノロジが利用可能であるかを紹介しました。サンフランシスコで開催される今年のゲーム開発者カンファレンス (英語) に向けて、Windows ストア ゲームを開発するためのガイダンスとしてこの記事をお役立てください。

ゲーム スタート!

シニア プログラム マネージャー、Shai Hinitz

  • Loading...
Leave a Comment
  • Please add 5 and 7 and type the answer here:
  • Post