タスクとスケジュールを管理する - その2 現状把握アナログ編

どうしてタスクとスケジュールの管理はうまくいかないのか.この原因を少し考えてみたいのですが,これは僕自身のこれまでの失敗経験からなんとなく理由は判明しています.この「なんとなく」というのがポイントで,クリアすべき課題は不明瞭で複数で複雑で絡み合っているからです.しかも段階的に複雑性が増大していくことも挙げておかねばならぬでしょう.

例えば年初には気合を入れて手帳を購入します.この時には1年後にびっしりと1年間の活動記録や自分自身の経験が刻み込まれているだろうと信じています.まずは些細なことでも全部予定表に書いちまえってなもんで,こんな感じになります.やる気まんまんです.

スケジュール帳
写真1.かなり綺麗にまとめられた月間スケジュール

この時点では大満足です.過去のお客様やパートナー様訪問記録や,先々の予定の空き時間がサクッと理解できるので,極めて便利です.だけど,必ずこれでは問題が出てきます.それは何かというと「狭い」ってことです.1か月見開きは俯瞰するには良いですが,少しばかり詳細を書こうとすると途端に書く場所がなくなります.ということで1ページで1週間分を表示するページに同じ内容を再度書きなおすのです.すなわち二重入力.

スケジュール調整
写真2.電話しながらスケジュールを調整しているところ

こうやってスケジュール帳とにらめっこして,日程を調整しているのですが,よくよく考えてみれば,ここで見ているのは自分のスケジュールだけです.だけどビジネスにおいては大抵自分以外にも人が関わることが多いです.当然ながら自分のスケジュール帳には他人のスケジュールは書いてありませんから,この電話が終わった後,再度同僚の予定を確認し,そして再び先方にメールとか電話をする必要がでてくるわけです.

しかも,さらなる課題が押し寄せてきます.それはスケジュールを管理している見開き2ページや,1週間単位のページでは,打合せ内容や,議事録をメモるスペースがないのです.ということで,結局会議のたびにノート(あるいはノートのリフィル)が登場するわけです.

手書きノート
写真3.ノートはメモにあらず.ビジュアルに考えるための強力なツール!

しかしノートなんてのはもうそれこそあっという間に使いきっていきます.手帳は1年で1冊ですが,ノートが1年で1冊ってことはありえません. そういうわけで,結局手帳以外に,こんなことになるのです.

ノート手帳の山
写真4.山積みになる一方のノート

当然ながらこれらを全部持ち歩くことはできませんから,貴重な情報が詰まったノートは次々に,デスクの引き出しやお家のキャビネットで箪笥の肥やしになっていくわけです.

昨今各社のグループウェアで 情報共有やEnterprise Searchというものが注目されていますが,今一度よく考えてみましょう.本当に本当に重要で貴重な情報はほとんどが組織を構成する一人ひとりのてんでバラバラなノートや手帳に分散しているのです.そして残念ながらこれらの情報は Enterprise Searchの検索結果には絶対に出てきません.各自がノートに書いたメモや記録をすべてパソコンで打ち直せますか.これもやっぱり無理.これって大いなる矛盾です.

こうして情報は至る所に分散し,コミュニケーション不全が起き始めるのです.
これは極めて由々しき問題ではないでしょうか.

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