ホワイトボード革命

デキるビジネスマンはホワイトボードを使うってことで,これまで我々は必死にホワイトボードを使ったプレゼンテーションや,説明を行ってきました.口頭だけのミーティングだけではなかなか伝わりづらい部分を図式化したりマトリクス化したりすることで理解度は圧倒的に高まります

もっとわかりやすく,もっと効果的に,そうやってホワイトボードの使い方や書き方を昼夜を問わず,寝食忘れて研究し,洗練させてきました.おかげさまで今ではホワイトボード検定(ホワ検) 2種くらいは軽く取れるんじゃないかと思っています.

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そうです.ホワイトボード研究家(僕のことです)はとにかく 「書き方」や「表現」 に注目してしまい,それ以外のことをあまり気にしません.だけどよくよく考えてみれば,本当の価値はホワイトボードそのものではなく,当然ながら,そこに書かれた内容にあるわけです.

ともすれば,ホワイトボードに書くことに満足してしまい,そのあとについては(恥ずかしながら)あまり深く考えていませんでした.

そしてミーティングが終わった瞬間からホワイトボードに書いた「情報」はみるみる劣化がはじまります. なぜならば,少なくとも僕は,1週間後の次のミーティングに,前回のホワイトボードから印刷したものをもう一度持ってきたことはほとんどないし,写メした画像をもう一度プロジェクタで表示したこともありません.ノートに書いていれば,今一度ホワイトボードに書き写すこともできますが,そんなことした覚えも皆無に等しいからです.

いずれにせよ,どんな方法を使っても, 先週の臨場感あるホワイトボードは絶対に帰ってこないのです.あたりまえだけど.

これは情報がアトムの世界にあるからです.アトムの世界はビットの世界に比べると機敏性(Agility)に大きな差があります.圧倒的な差と言っても良いです.

例えばその他10人の関係者にミーティングの内容を共有することを想像してみてください.どうやって目の前に書かれた内容をミーティングに参加していない10名に伝えますか?

大抵次のような方法になります.

1. 議事録にしてメールする

2. 議事録にしてメールする

3. 議事録にしてメールする

・・・・

・・・・

・・・・

· 写メを送る

· 印刷したものをさらにコピーして回覧してもらう

· 印刷したものをスキャナしてメールで送る

おー!おーー!

これ,こないだまでの僕じゃん!! メールで議事録を送るためにパソコンで同じ内容をもう一度打ちなおしてました.スキャナ使うのはめんどうだし,写メを撮って送るのもめんどうだからです.メンドウ,メンドウ,メンドウ.人は面倒をとにかく嫌うのです

しかしよくよく考えてみれば,これは大いなる矛盾であることに気付かなければなりません.一生懸命ホワイトボードの使い方を研究して,効果的にわかりやすく表現したのに,それを議事録として送る時には,自らの手で,最もわかりづらい(と自分でもわかっている)テキストの箇条書きに,わざわざ時間と労力をかけて, 戻しているんですから.

これ痛恨の極みです.

結局参加できなかった人たちにエスカレーションするためのミーティングをもう一度開いたり,電話や口頭でもう一度説明したりするハメになるわけです.

そんなこんなで,我々はホワイトボードを使うことをやめました.全面禁止
使えば使うほど時間と労力の無駄,なにより情報の劣化が発生するからです.

↓証拠映像

現在我々は Microsoft Office 製品群に含まれている OneNote 2007 をホワイトボード代わりに使っています.そしてこの OneNote の価値を極限まで引き出してくれるのが,タブレットPCなわけです.

先述であえてアナログとは言わなかった理由はここにあります.ペンによる入力はアナログだからです.ですが,そのペンで入力した先はアトムの世界ではなく,ビットの世界です.

ビットの世界にあるホワイトボードは,アトムの世界ではなかなか難しかったこともサクッとできちゃいます.例えば,,,,

· 広さに限界がない

· 拡大縮小も簡単

· 書いた文字の移動(よゆー)

· ファイルの添付(関連するものはなんでも貼り付けちまえ!)

· タスクとの連動( Outlookとの連携も1クリックだぜ!)

· リンク(他の情報や機能と連携することは重要よ)

· 検索(テキストだけじゃなく,画像だろうが,手書きだろうが,音声だろうがなんでも来いや~)

· 共有(メールで送る?それとも自動で同期させちゃう?)

かくして僕たちのホワイトボードは,こんな感じになります.

ホワイトボード全体

どうでしょう?

これまでのホワイトボードがビットになるとは,このような状態のことを指します.見た目はあまり変わらないかもしれませんが,これまでとは完全に次元が違います.アナザーディメンジョンです.

ミーティング中の模様が音声ファイルとして自動的に貼り付けられているし,会議の中で決まったタスクにはフラグが立てられOutlookの仕事(タスク)と関連付けられています.イベント集客用メールのひな形や,セミナーで使う資料も添付されています.見づらければ拡大すれば良いし,全体を俯瞰したければ縮小すれば良い.場所が狭ければ簡単に文字を動かすこともできる.そして来週もう一度ミーティングをする時には,このホワイトボードがあの盛り上がりのミーティングの余韻を残したまま鮮やかに帰ってきます.

そして真に驚くべきは,この会議は,東京,大阪,金沢の3拠点でのオンラインミーティングであり,誰ひとり会議室を使っていない,ということです.

だって 「出張禁止」「電話禁止」「会議室使用禁止」「ホワイトボード使用禁止」 ですから,しゃーないっすよね苦笑

逆に言うと,「禁止」がなければ,このような新しいスタイルのミーティングに僕らはずっと気付かずにいたかもしれません. いちいち出張(だけじゃなく出張申請や移動,宿泊予約も含めてね)や電話(たいがい電話した結果,結局会って話した方が早いという結論になる)をしていた頃のことを考えると大いに無駄を感じますし,今もそのままだったら,と考えるとゾッとします.

現在我々はこのようにホワイトボードを本当の意味で戦略基盤として活用しています.単なる板書をするためのツールではなく,このホワイトボードに描かれた計画を中心に関連するタスクやドキュメントを,各自のデスクの各自のPCからリアルタイムに管理していくのです.つまり我々のホワイトボードはミーティングが終わった後も,いや終わった後にこそ,成長し,その真価を発揮し始め,タスクチームの実行計画と行動管理を大いに助けてくれる素晴らしい海図となってくれるのです.

色んなものを禁止してみると,必ず最初は戸惑うのですが,慣れてくると,あの頃の俺達まるで何もわかっちゃいねぇ子猫みたいなもんだったな,って気分になります.そして何より意外と全然平気であることにきっとビックリすることでしょう.

そしてこのホワイトボード革命は,我が北陸支店が昼夜を問わず,寝食忘れて研究した末にたどり着いた戦略的組織モデル「 Liquid & Solid Structure のほんの一部に過ぎないのです.

さあ,これを読んだあなた.
今すぐ!今すぐにタブレットPCを準備してください.

僕たちと一緒にビットの世界へ飛び込みましょう!!
そしてこれまでの,いや今も捨て続けている,貴重なあなた自身の時間を取り戻しに行きましょう!!!

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